父がほしがった絵

私の父は昨年の夏まで私と一緒に仕事をしていたが、その後病に倒れ病床に伏し、今は介護される毎日である。そんな父がある日私の絵が見たいとしきりに言い出した。その時私は販売している絵しか持っておらず、父に“paradise”の絵を見せると”この絵はとても癒される良い絵だ”と言い、父が私の絵を欲しがって自分にプレゼントしてほしいと言い出した。父が私に何か欲しいと言うのは初めてだったので、私は値札を外し”paradise”の絵を父にプレゼントした。父はとても喜びここに飾ってほしいと言い、父がすぐ絵が見える場所に絵を飾った。以前私は絵は人を癒す力があると述べたが、ほんとに絵には不思議な力がある。父があの”paradise”の絵を見て心の中で何を思ったか私は知らないが、何か父の心を打つものがあったのは確かな様だった。